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皮膚科画像データベースtkDermの特徴

  1. 無料。
  2. データベースエンジンとして定評のあるPostgreSQLを採用。
  3. Windows、Macintosh(OS Xのみ)およびLinuxで動作。
  4. ディジタルカメラとフィルムカメラの両方に対応。
  5. 撮影時刻に基づく写真の整理の自動化(デジタルカメラ使用時)。
  6. 皮疹の部位による検索 が可能。
  7. 複数のバックアップオプションの提供。
  8. 臨床写真と組織写真を関連付けて表示可能。
  9. 検索結果の素早いブラウズ。
  10. 患者データ再利用によるフォローアップ撮影の省力化。
  11. クライアントサーバーシステムに対応。
  12. 疾患ごとの画像コレクションを作成可能。
  13. 検索結果の匿名表示が可能。
  14. 検索結果表示用フォントを変更可能。

Version 1.4.2の新機能

  1. WindowsとMacintosh用にTcl/Tkのインストールが不要なStarpack版を用意。
  2. 初回起動時にセットアップウィザードが起動。
  3. 皮疹分布を記録するためのフォーマットのユーザー自身によるカスタマイズ。

Version 1.4の新機能

  1. ソースコードをGNU General Public License version 2で公開。
  2. パッケージによりユーザー自身が新機能を追加可能。
  3. 検索結果の年齢、撮影日時および皮疹分布に基づくヒストグラムを出力する パッケージを付属しました。このプログラムを使えば、ある疾患の年齢分布、発症の季節変動 および皮疹分布の傾向などを瞬時に知ることができます。

Version 1.3の新機能

  1. 複数の画像を1枚のウインドウに並べて表示できるので画像の比較が容易。
  2. 画像ウインドウをタブノートブックの1ページとして表示可能。
  3. 半角英数字の患者氏名とIDを暗号化して保存可能。


version 1.2の新機能

  1. メインウインドウ、検索ウインドウ、サムネイルウインドウを一体化。
  2. マウスカーソルを検索結果表示パネルに合わせるだけで画像のブラウズが可能。
  3. Windows Vista,Intel Mac(OS 10.5 Leopard)に対応。
  4. クライアントサーバーシステムに対応。
  5. javascriptを介したAdobe PhotoshopやBridgeとの連携。
  6. 検索結果の匿名表示をサポート。
  7. 検索結果表示用フォントの変更可能。

 

市販の画像データベースが皮膚科臨床に向かない理由

臨床写真を検索可能な状態で管理するためにはなんらかのデータベースソフトを使用する必要があります。ところが市販のデータベースソフトを臨床写真の管理に利用しようとするといくつかの困難に遭遇します。つまり

  1. 市販の画像データベースソフトは主にカメラマンを対象に画像そのものの管理と選別を目的にしているため、1枚1枚の画像を対象に設計されています。ひとことでいってベストショットを選び出すためのソフトです。これに対し皮膚科医は画像をあくまで診療の記録として扱い、したがって写真を選別することではなく保管と検索に関心があります。
  2. また皮疹の範囲によってはその記録に複数枚を要するため、写真を患者ごとのグループとして扱える方が便利です。これも画像を1枚づつ扱う市販の画像データベースが患者単位で画像を取り扱う皮膚科臨床になじまない理由です。
  3. 市販の画像データベースソフトはあくまで汎用の画像管理を目的に開発されているため、皮膚科臨床に固有の機能がありません。例えば皮疹の部位による柔軟な検索ができません。

皮膚科固有の撮影方法が画像の自動整理を可能にする

皮膚科医はほとんど外来で撮影します。たまに病棟回診や往診先で撮影することもありますが、9割以上は外来です。撮影場所に常にコンピュータがあるという条件は一般のカメラマンには満たしがたい条件です。これを利用しない手はありません。言い換えれば撮影時に情報を入力可能なのです。
皮膚科臨床での写真撮影の特徴を利用すれば市販の画像データベースでは不可能な機能を実現することができます。それは画像整理の自動化です。

画像の自動整理のしくみ

デジタルカメラで撮影された画像ファイルには撮影時刻が記録されています。撮影情報の入力時刻と画像ファイルの時刻情報を比較すればどの画像ファイルがどの情報に対応しているかがわかります。この作業をコンピュータにやらせれば画像の自動整理が実現します。 忙しい外来診療中にコンピュータに入力するのは面倒だという意見があるかもしれません。しかしコンピュータは情報を加工するだけです。 けっして無から有を生み出すことはありません。つまり情報はいつかは入力しなければならないのです。とすれば記憶が鮮明な撮影時に情報を入力するのが最も効率的です。1件入力するのに1分もかかりません。1日5人撮影したとしてたった5分です。わずかな手間で画像整理が自動化できるのです。

tkDerm開発の経緯

1999年頃に画像整理の自動化を実現するため現在のtkDermの原型となるものを開発。開発言語はTcl/Tk、データベースエンジンにオープンソースのリレーショナルデータベースとして広く使われているPostgreSQL、プラットフォームにLinuxを採用。
Linuxを採用した理由は当時PostgreSQLがLinuxをはじめとするUnix系OSにしかインストールできなかったことと、開発言語のTcl/TkはもともとUnix由来なのでLinuxと親和性が高いためです。写真の整理の手間がなくなるし、一瞬で見たい写真探せるしで、便利この上ないものですが、Linuxにしかインストールできなかったので一般の皮膚科医には敷居が高く、自分だけで使い続け数千枚の写真を管理してきました。 ところが2年ほど前にPostgreSQLがWindowsにもインストールできるようになり、ほぼ1年かけてtkDermをWindows(およびMa OS X)に対応させ、同時にいくつかの重要な新機能を付け加えて、2007年11月にインターネットで公開しました。